不可欠特定財産とは
令和6年の公益法人法の改正により、従来「遊休財産」と呼ばれていた項目が、「不可欠特定財産」という名称に変更となりました。
公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産(以下、「不可欠特定財産」という。)とは、法人の目的、事業と密接不可分な関係にあり、当該法人が保有、使用することに意義がある特定の財産をいいます。また、その性質に鑑みると、継続的に公益目的事業の用に供する公益目的事業財産に該当します。
例えば、一定の目的の下に収集、展示され、再収集が困難な美術館の美術品や、歴史的文化的価値があり、再生不可能な建造物等が該当します。
定款での定め
不可欠特定財産がある場合には、財産種別や場所・物量等を列記するなどの方法により、ど
の財産が不可欠特定財産に該当するのかが分かるように具体的に特定して定款に定めておく
必要があります。
財務諸表での開示
不可欠特定財産については、財務諸表においてその旨の表示を行う必要があります。また、公益認定前に取得した財産については、その旨もあわせて記載する必要があります。
具体的には、令和6年会計基準では、貸借対照表の「資産及び負債の状況」に関する注記(記載することにより財産目録とみなされる)に、公益目的保有財産かつ不可欠特定財産である旨(公益認定前に取得した財産についてはその旨も)の表示を行うことが必要です。また、当該財産が基本財産と定められている場合は、その旨を表示することができます。
なお、同会計基準に移行するまでの間、平成20年会計基準を適用する場合には、貸借対照表において基本財産として表示するとともに、財産目録において基本財産かつ不可欠特定財産である旨表示することが必要です。