これまで公認会計士監査では、「監査報告書」として監査証明業務を実施できるのは、金融商品取引法監査や会社法監査、学校法人監査及び、労働組合監査などの法定監査に限定されておりました。
しかし、義援金の収支計算書のみを対象とした公認会計士監査を行ってほしいといったニーズはありましたが、当時の監査基準では、そういった様々なニーズに対応する監査が出来ませんでした。
平成27年4月から監査基準の改訂により、財務情報に対する様々なニーズに応じた公認会計士監査が可能となりました。
広範囲の利用者に財務情報が利用されることを想定しているものを「一般目的の財務報告の枠組み」といいます。
これに対し、特定の利用者にのみ財務情報の利用が想定されているものを「特別目的の財務報告の枠組み」といいます。
開示要請の観点から、「適正表示の枠組み」と「準拠性の枠組み」があります。どちらも監査の保証水準に違いはありません。違いは、監査意見の表明内容に出てきます。
適正表示の枠組みでは、定められた事項の遵守に加え、
(1)適正表示を達成する、枠組みにおいて具体的に要求されている以上の開示を行うことが必要な場合、追加の開示を行う旨の明示的又は黙示的規定がある
もしくは
(2)適正表示を達成するため、財務報告の枠組みからの離脱が必要な場合の離脱規程が明示的にある
という要求事項があります。
この場合の監査意見は、「財務諸表が(適用される財務報告の枠組み)に準拠して、●●を適正に表示しているものと認める。」として監査意見が表明されます。
他方、準拠性の枠組みでは、定められた事項の遵守が要求されている枠組みのみとなっている点が異なります。
この場合の監査意見は、「財務諸表が(適用される財務報告の枠組み)に準拠して作成されているものと認める。」として監査意見が表明されます。