令和6年公益法人会計基準の改正について、いつから適用されるのか?何が変わるのか?実務上の注意点を公認会計士が解説します
令和6年改正公益法人会計基準とは
公益法人法の改正に伴い、「財務報告の目的」を明確化することや、利害関係者に分かりやすい財務情報の開示をするという観点で改正されました。
公益法人会計基準の歴史
これまで何度か会計基準が改正されています。
昭和52年に制定された後、平成16年基準、平成20年基準、そして今回の令和6年基準となっております。
実は、公益法人以外でも公益法人会計基準を準用して決算書を作成している法人が多くあります。例えば、任意団体では適用すべき会計基準が定まっていない場合も多くあります。そのような場合、営利企業に適用される企業会計基準ではなく、非営利法人の代表である公益法人に適用される会計基準を準用して処理を進めるケースが多くあります。
実際に、平成16年基準を準用して決算書を作成する法人もあります。
令和6年改正で何が変わるの?
いわゆるP/Lに該当する「正味財産増減計算書」の書類が「活動計算書」というより分かりやすい書類に変更となった。特に、P/Lにおいて、指定正味財産と一般正味財産の区分を注記表で明らかにする様式に変更するとともに、振替処理が廃止されました。
また、平成20年基準では、指定正味財産の使途の指定が解除された際、指定正味財産から一般正味財産の「収益」へ振替、一般正味財産の部において費消するという会計処理を行っていた。
いつから適用されるの?
原則として、令和7年4月1日以降に開始する事業年度から適用します。
ただ、令和10年(2028年)4月1日前に開始する事業年度までは、従前の会計基準を適用することが可能となっています。
例えば、3月31日が決算の法人においては、2028年4月1日開始事業年度から新会計基準を適用しなければなりません。
予算書はどう対応するの?
ここで、素朴な疑問です。
公益法人では、毎事業年度開始の日の前日までに収支予算書を行政庁へ提出する必要があります。
仮に、令和8年度(令和8年4月1日~)新会計基準を適用するとした場合、令和8年度の予算書は新会計基準の活動計算書に準拠した収支予算書を作成する必要があるのでしょうか?
法律上、予算書の様式の指定はありません。
しかし、令和8年度から新会計基準を適用するのであれば、予算実績管理の観点からは、令和8年度の収支予算書から新会計基準に準拠した様式で作成することが望ましいとされております。
(内閣府法益法人information よくある質問 問Ⅲ-5-②より)
公認会計士から一言
1つ厄介なのは、非営利法人において適用する会計基準が明確ではなく、公益法人会計を参考にして運用している法人があります。例えば、平成16年基準を未だに適用している法人もあります。
そのため、私の事務所では公益法人会計基準用に古い書籍も本棚にストックしております。書籍は絶版になっているものもあり、この点でうちの事務所は公益法人の知識の宝庫でもあります。
